赤ちゃんは鼻くそが詰まりやすい?鼻づまりの原因や対処法、注意したいことを解説
赤ちゃんは、大人とは違って鼻の粘膜が非常に敏感であり、軽微な刺激にも反応しやすいです。そのため、ちょっとした乾燥や寒さ、ホコリなどにより鼻水が増えやすく、その結果、鼻くそが詰まることがあります。
今回は、赤ちゃんが鼻づまりを起こす原因、鼻くそが詰まったときの対処法、鼻くそを取るときに注意したいことなどを基本からわかりやすく解説します。
目次
赤ちゃんは鼻くそが詰まりやすい?鼻づまりの原因や対処法、注意したいことを解説
赤ちゃんの鼻と鼻くそ
鼻くそが詰まる原因
鼻の中が狭い
鼻毛が少ない
自分で鼻をかめない
風邪を引いている
鼻くそが詰まるときの対処法
ベビー綿棒やガーゼで取る
お風呂上がりに取る
蒸しタオルで鼻を温める
鼻水吸引器を使用する
小児科や耳鼻科を受診する
鼻くそが詰まるときのサイン
夜泣きがひどくなる
母乳やミルクを飲みにくそうにしている
鼻くそを予防する方法
鼻水をこまめに拭き取る
部屋を乾燥させない
室内環境を改善する
鼻くそを取るときに注意したいこと
無理に取ろうとしない
コミュニケーションをとる
まとめ
赤ちゃんの鼻くそ
赤ちゃんの鼻は大人と比べて独特の構造をしています。特徴の1つが、鼻の穴が小さく溜まった鼻水を外に排出しにくい構造となっていることであり、これが乾燥により鼻くそに変わりやすくなります。仰向けで寝るときは余計に排出されにくくなるでしょう。
ほとんどの場合、赤ちゃんが泣くときに自然と鼻くそが排出されます。しかし全てではありません。また成長初期の赤ちゃんは口呼吸がまだ得意ではないため、鼻くそが詰まると息苦しそうにするほか、母乳やミルクも飲みにくくなり、栄養摂取をはじめとするさまざまな面に影響を及ぼす可能性があります。
そのため、赤ちゃんの健康と快適さを確保するためにも、定期的に掃除するのがよいでしょう。その際は専用のツールを使うか、または専門家の助けを借りることが重要です。赤ちゃんの鼻はとてもデリケートなため、無理な取り除き方をすると鼻を傷つける可能性があります。
「いつもと様子が違う気がする」「この掃除の仕方でいいのかな?」など不安な点や対処法については、こまめに小児科医に相談することでトラブル防止につながりやすくなるでしょう。
関連ページ:鼻水吸引器を使うなら知っておきたい乳児の鼻水の基礎知識
鼻くそが詰まる原因
赤ちゃんの鼻くそが詰まる原因には、さまざまなものが考えられます。場合によっては体調不良を起こしている場合もあるので、赤ちゃんの様子を観察して兆候を見逃さないことが大切です。原因としては、主に次が挙げられます。
- 鼻の中が狭い
- 鼻毛が少ない
- 自分で鼻をかめない
- 風邪を引いている
鼻の中が狭い
鼻くそが詰まる原因のひとつに、大人と比べて赤ちゃんの鼻の中が狭いことがあります。
赤ちゃんは鼻の粘膜も敏感で鼻水が出やすく、鼻くその量も増えがちです。しかし、小さい子の鼻の中は狭いため、外へ排出しづらく鼻づまりを起こします。仰向けで寝ると余計に奥に鼻水が溜まるので、その状態を放置すると症状が悪化しやすいです。
鼻毛が少ない
赤ちゃんは鼻毛が少ないことも、鼻詰まりを起こす原因のひとつです。
赤ちゃんは、一日のほとんどを部屋の中で寝て過ごしています。しかも大人に比べると床に近い位置で過ごしており、ゴミやホコリを吸い込みやすいです。
大人であれば鼻毛がゴミやホコリを吸着して気管支や肺の侵入を防止します。対して鼻毛が少ない赤ちゃんの場合、鼻水が代わりの役割を果たします。よって赤ちゃんは鼻水が出やすくなり、鼻水が固まってできる鼻くそも増えやすくなるのです。
自分で鼻をかめない
当然のことながら、赤ちゃんは自分で鼻をかむことはできません。
鼻水が大量に出ても自分で取り除けないので、その状態を放置すると鼻くそが詰まります。鼻詰まりを起こさせないためには、ご家族の方が鼻の中をきれいにしてあげることが必要です。特に赤ちゃんが乾燥した空気の中で過ごしていると、大きな鼻くそが出きやすいので注意しましょう。
風邪を引いている
赤ちゃんの鼻くそが詰まる原因として挙げられるのが、風邪を含めた感染症です。特に鼻は身体に侵入する入り口なので、細菌やウイルスが攻撃しやすいです。細菌やウイルスの侵入をブロックするため、鼻水が出やすい状態になります。
鼻水が出ている以外に、発熱や咳が見られる場合は風邪を引いている可能性があります。また、アレルギーの原因となる杉や花粉、ホコリを吸い込むと、侵入を防ぐために鼻水が作られるため、鼻の中に鼻くそが溜まります。
鼻くそが詰まるときの対処法
不必要に溜まった赤ちゃんの鼻くそは、ご家族の方がきれいに取り除く必要があります。しかし、赤ちゃんの鼻の中は繊細なので、「取るときに傷つけないかな?」と不安に感じる方もいるでしょう。
鼻くそが詰まるときの対処法には、次が挙げられます。
- ガーゼやベビー綿棒で取る
- お風呂上がりに取る
- 蒸しタオルで鼻を温める
- 鼻水吸引器を使用する
- 小児科や耳鼻科を受診する
関連ページ:赤ちゃんの鼻掃除はどうやってする?ケア方法と鼻づまりの予防のポイントを紹介
ガーゼやベビー綿棒で取る
鼻の穴付近にある鼻くそは、ガーゼやベビー綿棒で拭き取るのがおすすめです。
ただし、ガーゼやベビー綿棒で拭き取るときは、あくまで穴付近にあるものだけです。奥にあるものまで拭き取ろうとすると、鼻の中を傷つけてしまう恐れがあります。
また、ベビー綿棒で無理に取ろうとすると、逆に鼻くそを奥に押し込んでしまうことも多いです。「ベビー綿棒だと奥に入りそうで不安……」という場合は、ガーゼで拭き取りましょう。ガーゼで取れば、奥まで入る心配もありません。ベビー綿棒やガーゼで取れないものは、赤ちゃん用ピンセットを使うのもおすすめです。
お風呂上がりに取る
赤ちゃんの鼻くそを取るときは、お風呂上がりにしましょう。お風呂上がりは鼻の中の汚れも柔らかくなるので、掃除する最適なタイミングです。綿棒を鼻の中に入れ、くるくる回しながら出しましょう。
綿棒で鼻くそを取るときは、鼻の入り口付近の汚れだけを取り出しましょう。奥の蓄積された鼻くそは綿棒を入れると危険なので、こよりで鼻をくすぐり、くしゃみを誘って取り出すのがおすすめです。
蒸しタオルで鼻を温める
日中に鼻くそを取りたいときは、蒸しタオルで鼻の下に置いて温めるのがおすすめです。鼻の周りを温めることで鼻くそがふやけるので、汚れを書き出しやすくなります。
水で濡らしたタオルを電子レンジで温めれば、簡単に蒸しタオルを作れます。赤ちゃんが火傷しないように少し冷ましてから鼻に当てるようにしましょう。十分に温まったら鼻くそが柔らかくなるので、ベビー綿棒やガーゼで取り出しましょう。
鼻水吸引器を使用する
鼻くそが鼻の奥に詰まると、ベビー綿棒やガーゼ、赤ちゃん用ピンセットでは取りづらいこともあります。このような場合は、鼻水吸引器で鼻くそを取るのがおすすめです。鼻水吸引器は、本来鼻水を吸引するアイテムです。
しかし、鼻の中にこびり付いていなければ取れることがあります。ただし、使い過ぎると鼻の粘膜を傷つける恐れがあるので、使用頻度ややり方には注意しましょう。
関連ページ:鼻水吸引は必要?鼻水の役割や種類、子どもに鼻のかみ方を教えるコツもご紹介
小児科や耳鼻科を受診する
大量の鼻水が出ていると、それが乾燥して鼻の奥に大きな鼻くそが詰まる場合があります。無理やり取ろうとすると鼻の中の粘膜を傷つける恐れがあるので、基本的に自然に出てくるのを待つので問題ありません。
しかし、赤ちゃんは鼻呼吸であるため、長い間鼻の奥に鼻くそがある状態はつらいです。赤ちゃんが息苦しそうにする状態が長く続くようであれば、小児科や耳鼻科の受診を検討しましょう。鼻水が大量に出ている裏に、アレルギー性鼻炎や風邪、インフルエンザなどの病気が隠れている可能性もあります。
鼻くそが詰まるときのサイン
赤ちゃんの鼻の中に鼻くそが詰まるとき、さまざまなサインが現れます。ご家族の方が小まめに鼻の中をお手入れしていても、少し時間が経つと溜まることも多いです。鼻くそが詰まるときに見られるサインには、次のようなものが挙げられます。
- 夜泣きがひどくなる
- 母乳やミルクが飲みにくそう
夜泣きがひどくなる
鼻づまりを起こすと、赤ちゃんの夜泣きがひどくなる場合があります。赤ちゃんは鼻水が溜まっても、自分で鼻をかめません。また、赤ちゃんは口呼吸できないため、鼻の中に鼻くそが詰まった状態は息苦しく、その不快感から泣いてしまいます。
頻繁に目を覚ますことも多くなり、眠いのに寝られない状態が続くため、赤ちゃんの機嫌が悪くなります。寝てくれない状況が続くので、ご家族も眠れず負のサイクルに陥ることも多いです。
いつもより夜泣きがひどいときは、鼻くその詰まりを確認しましょう。
母乳やミルクを飲みにくそうにしている
赤ちゃんが母乳やミルクが飲みづらそうなら、鼻くその詰まりが原因かもしれません。赤ちゃんは鼻呼吸なので、おっぱいや哺乳瓶を咥えて口が塞がると息ができなくなります。
おっぱいや哺乳瓶を咥えてもすぐに口から離すようなら、鼻くその詰まりが原因である可能性があるかもしれません。特に、母乳はどのくらいの量を飲んでくれたか把握しづらいです。母乳やミルクを飲む量が足りないと、寝つきが悪かったり、夜泣きしたりする原因になることもあるため、違和感に気づいたら鼻をチェックしてみましょう。
鼻くそを予防する方法
定期的なお手入れや生活環境の改善により、鼻くその詰まりをある程度予防することができます。一般的な予防方法には、次が挙げられます。ただし全てを確実に防げるわけではない点には注意が必要です。
- 鼻水をこまめに拭き取る
- 部屋を乾燥させない
- 室内環境を改善する
鼻水をこまめに拭き取る
鼻くその詰まりを解消するには、小まめに鼻水を拭き取ることが大切です。赤ちゃんの鼻づまりがよく見られる月齢は、生後1~2ヶ月頃だといわれています。この時期は身体の肉付きも良くなるので、鼻も詰まりやすくなりやすいです。
フガフガする様子が見られるなら、鼻づまりを起こしているかもしれません。鼻の中をきれいに掃除しましょう。鼻づまりがひどい場合は、赤ちゃん用の鼻水吸引機を使用するのがおすすめです。ただし、赤ちゃんの鼻の粘膜はデリケートなので、鼻くそが出てこないときは無理せず医師に相談しましょう。
部屋を乾燥させない
部屋の空気が乾燥していると、鼻水が乾いて鼻くそが出きやすくなります。特に冬場は室内が乾燥しやすいため、加湿器を設置するなど乾燥対策をおこなうことが大切です。
室内の乾燥を防ぐには、湿度は50~60%程度に保つのが理想です。自宅に加湿器がない場合は、洗濯物を室内に干して部屋の湿度をできるだけ乾燥させないように快適な環境づくりを心がけましょう。
室内環境を改善する
ほこりやゴミ、ハウスダストが多いと、赤ちゃんは鼻づまりを起こしやすいです。室内環境を整えるためにも、小まめに掃除機をかけたり空気清浄機を設置したりして空気をきれいに保ちましょう。
また、赤ちゃんが風邪を引かないように室内の温度管理も重要です。部屋の室温は、20~22度程度に保つのが理想です。着る洋服も季節に合わせて選びましょう。
関連ページ: 赤ちゃんの健康管理のポイントは?いざというときの備えについても解説
鼻くそを取る際の注意点
赤ちゃんの鼻はデリケートで傷つきやすいので、鼻くそは慎重に取らなければなりません。主な注意点には、次が挙げられます。
- 無理に取ろうとしない
- コミュニケーションをとる
無理に取ろうとしない
鼻くそは自然と出てくるので、赤ちゃんが苦しそうでなければ基本は気にする必要はありません。特に鼻の奥に詰まったものを取ろうとすると、鼻の粘膜を傷つける恐れがあります。
赤ちゃんに負担をかけないためにも、鼻くそを無理に取るのはやめましょう。しかし、赤ちゃんは鼻呼吸しかできないため、鼻くそが溜まると呼吸しづらくなります。赤ちゃんが息苦しそうであれば、耳鼻科や小児科を受診して相談してみることも選択肢に入れます。
コミュニケーションをとる
鼻くそを取るとき、赤ちゃん本人とコミュニケーションをとりながら進めましょう。大人と同じく、鼻の中をいじられることに不快感を抱く赤ちゃんも多いです。無理にベビー綿棒を入れると、泣き出してしまう赤ちゃんもいます。
赤ちゃんを安心させるためにも、ご家族の方が「鼻くそを取ろうね」「痛くないよ」などやさしく声かけしましょう。コミュニケーションがうまくいくと、赤ちゃんが落ち着く場合もあります。
まとめ
赤ちゃんは鼻の穴が狭かったり鼻毛が少なかったりするため、鼻水が出やすいです。そのまま放置した場合、鼻の中が詰まりがちとなります。
特に鼻呼吸しかできない赤ちゃんの場合は、鼻が詰まると息苦しかったり、不快を感じたりして機嫌が悪くなることも多いです。母乳やミルクの摂取にも影響を与えるかもしれません。だからこそ赤ちゃんの鼻は、定期的にチェックし、必要にあわせてご家族の方が掃除することが大切です。
しかし赤ちゃんの鼻がとても敏感なため、無理な方法で取り除かないように気をつけなければなりません。専用のツールを正しく使うか、必要であれば専門家の助けを借りることが望ましいです。もし何か心配事や疑問があれば、小児科医に相談しましょう。