赤ちゃんに授乳するときの知識がほしい!頻度やタイミングを解説
赤ちゃんのご飯となる母乳や育児用ミルクを与える授乳は、ちょっとしたコツが必要です。また、授乳のやり方に合わせて母乳や育児用ミルクの知識があると、育児における負担を軽減できます。
本記事はそんな授乳に関する情報を、分かりやすくまとめました。授乳やミルクに関する知識がほしい方は、ぜひご覧ください。
目次
母乳の基礎知識
完全母乳とミルクの違い
母乳が作られる3段階
赤ちゃんへ授乳する頻度とタイミング
新生児の内は1日8回が目安
生後2~3か月ごろからはおしっこの量を参考にして
ミルクを欲しがっているサイン
赤ちゃんが十分に食事を取れているサイン
授乳の手順
正しい抱き方や楽な姿勢
乳首の正しい咥え方
飲ませ終わったらゲップさせる
母乳が出ないときはどうすればいいの?
まとめ
母乳の基礎知識
そもそも、母乳とはどんなものなのでしょうか。育児用ミルクとの違いがいまいちわからない方もいらっしゃるでしょう。まずは、母乳に関する基礎知識を解説します。
完全母乳とミルクの違い
完全母乳とは、お母さんのおっぱいで作られる母乳で赤ちゃんを育てることです。育児用ミルクは、母乳の代わりに与えるミルクでどちらも赤ちゃんに必要な栄養素が含まれています。よく親族や医療機関から「完全母乳の方がいい」といわれる保護者さんがいますが、実際はそれほど気にする必要はありません。
例外としては、産後すぐ~5日目までに出る母乳である「初乳」があります。これは、お母さんの免疫物質が含まれた、特別な母乳です。新生児はこの初乳から免疫を獲得します。
また、飲ませ方の違いも母乳と育児用ミルクの違いといえるでしょう。母乳はお母さんのおっぱいから直接与えますが、育児用ミルクは哺乳瓶に入れて与えます。哺乳瓶は慣れていないと嫌がる赤ちゃんもいます。
育児用ミルクなどに慣れさせたい場合は、適度に搾乳した母乳を入れて与えるなどのトレーニングをしておきましょう。
母乳が作られる3段階
赤ちゃんに与える母乳は、お母さんの体でどのように作られているのでしょうか。母乳が作られる段階は、大きく分けると以下の3つの段階に分けられます。
1. 妊娠中に分泌されるホルモンが乳腺に働きかけることで血液から母乳を作る準備を始める
2. 出産直後にホルモンが乳腺に働きかけることで母乳が作られ始める
3. 一般的に産後2~3日目になると母乳の量が増えておっぱいに張りを感じるようになる
2の段階から産後5日までは、黄色く少しとろりとした母乳が出ます。これが初乳です。初乳を与える時期が過ぎると、淡い黄色から白色に変化します。
赤ちゃんへ授乳する頻度とタイミング
赤ちゃんへ授乳する頻度は、月齢や成長具合により異なります。次は、授乳の頻度とタイミングについて解説します。
新生児の内は1日8回が目安
新生児の場合、大体1日8回の授乳をベースとします。最初は赤ちゃんもおっぱいを吸うのがうまくできないうえに、胃袋も小さいため時間がかかります。ベースとなる回数はありますが、ほしがるようなら与えましょう。
産後すぐから1日8回のペースで授乳できていれば、生後2週間を過ぎたあたりから安定します。赤ちゃんの飲みたい量とバランスが取れるようになれば、おっぱいの張りも次第に収まるはずです。
なお、40分を超えても赤ちゃんが母乳を欲しがる場合、十分な量が出ていない恐れがあります。この場合は、育児用ミルクや搾乳した母乳を哺乳瓶で与えれば問題ありません。なお、育児用ミルクは母乳より腹持ちがいいため、回数や量に注意してください。
生後2~3か月ごろからはおしっこの量を参考にして
生後2~3か月ごろになると、最初はうまく母乳を吸えなかった赤ちゃんも上手に飲めるようになります。このころは、おしっこの量で母乳やミルクが足りているかを判断しましょう。
1日のおむつ替えの際に、5回以上おしっこが出ていることが確認できれば、授乳回数は1日6~8回で調節します。これにより、赤ちゃんの生活リズムを整える効果が期待できます。おしっこの回数が少ない場合は、育児用ミルクを与えて調節してください。
ミルクを欲しがっているサイン
赤ちゃんはおっぱいやミルクがほしいときにサインを出してくれます。授乳の際は、以下のサインを見逃さないようにしましょう。
• おっぱいや哺乳瓶を吸うように口を動かす
• おっぱいを吸うときのような音を立てる
• 素早く目を動かす
• 「うー・くー・はー」などのささやくような声を出す
• 口に届くものを吸う
なお、お腹がすいていても、空腹のサインを出さない赤ちゃんもいます。すぐに眠ってしまう子も珍しくはありません。このような場合は、以下の方法で起こしてあげましょう。
• 上半身を起こして声をかける
• 薄着にする
• おむつを替える
また、おっぱいやミルクを欲しがって泣くのは「遅い!」のサインです。泣き出す前に最初のサインをきちんと読み取って授乳しましょう。
赤ちゃんが十分に食事を取れているサイン
赤ちゃんの空腹のサインだけでなく、食事がきちんととれているサインも覚えておくと、異常があってもすぐに気がつけます。
• 1日8回またはそれ以上母乳やミルクを飲んでいる
• 薄黄色の尿が1日5回以上出ている
• 1日3~8回ウンチをする
• 元気に動く
• 健康的な肌の色とハリ
• 授乳と授乳の間もある程度満足している
• 耐重が増えている
ほかの子よりも飲む量が少なくても、上記のようなサインが出ているなら問題ありません。赤ちゃんの成長は一人ひとり異なります。これはミルクを溜めこむ胃も例外ではありません。心配し過ぎるとかえって母乳に悪影響を与えてしまいます。落ち着いて対応しましょう。
授乳の手順
母乳に関する基礎的な知識を得たら、次は実際に授乳するときの方法について学びましょう。基本的なやり方を解説します。
正しい抱き方や楽な姿勢
赤ちゃんに授乳するときは、赤ちゃんを横に寝かせた横炊きの姿勢で与えるのが一般的です。飲ませるおっぱい側の二の腕に赤ちゃんの頭を乗せ、両腕や手全体で背中やお尻を支えます。
基本的な抱き方ですが、まだ骨格がしっかりしていない新生児だと、横炊きは難しいでしょう。その場合は、交差横抱きで授乳します。交差横抱きは、授乳するおっぱいとは反対側の手で赤ちゃんの頭を支える方法です。新生児の小さくふにゃふにゃした体もしっかり支えらえます。
このほか、以下の方法を用いることもあります。
• 添え乳:横になった姿勢で授乳する
• レイバック式:お腹に赤ちゃんを乗せて授乳する
どちらも赤ちゃんの窒息に注意する必要がありますが、立ちまたは座り姿勢が辛いときでも授乳できる方法です。腰痛などがあるときは、上記の方法を試すといいでしょう。
乳首の正しい咥え方
生まれたての赤ちゃんは、きちんと乳首を咥えられません。母乳を与える際は、赤ちゃんの唇をよく見て正しい咥え方ができているかチェックしましょう。
赤ちゃんの上あごには乳窩(にゅうか)と呼ばれるくぼみがあります。乳輪部分までしっかりくわえ込むことで、乳窩に乳首が収まり、母乳を吸えるようになります。母乳や哺乳瓶の乳首を咥えさせるときは、きちんと乳輪部分まで咥えているかを注意しましょう。
また、上下の唇をしっかり開いているかもチェックしてください。上下の唇が巻き込まれていると、うまく母乳やミルクを吸い出せません。赤ちゃんの唇が内側にある場合は、外側に出してあげます。
飲ませ終わったらゲップさせる
生まれたての赤ちゃんは、まだ上手にゲップできません。ゲップができないと、胃の中の空気による履き戻しなどを引き起こす恐れがあります。赤ちゃんの成長にもよりますが、生後5~6か月、首が座ってくる時期までは保護者さんがゲップさせてあげましょう。
授乳後はすぐに寝かさず5分ほど待ちます。赤ちゃんを縦抱きにして背中をさすってあげましょう。このとき、赤ちゃんのお腹に方が当たるように縦抱きするのがポイントです。ゲップできたら、静かに寝かせてあげます。
母乳が出ないときはどうすればいいの?
母乳は初乳をある程度与えられれば、その後は育児用ミルクでも問題はありません。ただ、母乳が出なくて困っている場合は、健康的な生活を送ることで母乳の生成を促せます。気になるときは、以下の対策を実施しましょう。
• 栄養バランスのよい食事をとる
• 睡眠を十分にとる
• 適度な運動を心がける
• 水分不足や貧血になる要素を避ける
産後すぐは出産のダメージから回復しきっていないために母乳が出ないこともよくあります。まずはお母さんの健康を第一に考えましょう。
また、赤ちゃんにおっぱいを吸ってもらうことで、母乳の分泌を促すホルモンが出ます。母乳が出なくても、赤ちゃんにおっぱいを吸ってもらうのもいい方法です。
まとめ
授乳は母乳も育児用ミルクも、コツをつかむまでは大変な作業です。しかし、やり方をしっかりおさえて行えば、次第に母子ともにうまくできるようになります。授乳の際は、焦らず赤ちゃんと保護者さんのペースで取り組みましょう。