鼻水吸引は必要?鼻水の役割や種類、子どもに鼻のかみ方を教えるコツもご紹介

鼻水は子どもにとってよくある症状です。特に問題ない場合も多いのですが、思わぬ疾患が隠れていることもあります。また鼻水を取り除かなければ、鼻呼吸が妨げられたり中耳炎などの症状を招いたりする原因となる可能性もあるため、適切に取り除く必要があります。

この記事では、鼻水についての知識や子どもの鼻水を取り除く方法、鼻のかみ方を教えるコツなどについてご紹介します。

目次

鼻水吸引は必要?鼻水の役割や種類、子どもに鼻のかみ方を教えるコツをご紹介
鼻水はなぜ出るの?
 鼻水の役割
 鼻水の原因
 鼻水の種類
  副鼻腔炎とは
鼻水吸引の重要性
鼻水を上手く吸引するコツや注意点
 鼻の構造は複雑!注意して吸引する
 ノズルの角度を変えて吸えるポイントを探る
 体勢を整えて吸引する
 鼻水を吸引することによる影響
子どもに鼻のかみ方を教えるコツ
 遊びを取り入れた鼻かみ練習
 ストローを使った遊びで鼻かみ練習
まとめ

鼻水はなぜ出るの?

そもそも鼻水はなぜ出るのでしょうか。ここでは、鼻水の役割や種類などについて解説します。

関連ページ:鼻水吸引器を使うなら知っておきたい乳児の鼻水の基礎知識

鼻水の役割

鼻水が出ることは体の防御反応のひとつです。鼻水は、体内に花粉やほこりなどのアレルギー原因物質やウイルスなどの異物が入り込もうとしたときに、神経や免疫細胞などの働きによって異物を洗い流そうとして起こる反応です。そのため、空気が汚れた場所などではより多くの鼻水が分泌されます。

健康な状態でも鼻の粘膜では常に鼻水が分泌されており、鼻の中を加湿して粘膜を保護する働きも担っています。

鼻水の原因

子どもの鼻水の原因はさまざまです。ひとつは風邪を引いたりアレルギーがあったりする場合に鼻水が出ます。

風邪の場合は鼻水以外にものどの痛みや発熱などがあることが多いため分かりやすいでしょう。アレルギーの場合は、くしゃみや咳、鼻づまり、目のかゆみ、蕁麻疹など症状は多岐にわたります。

また、急激な寒暖差による刺激で鼻の粘膜が腫れ鼻水が生じる「血管運動性鼻炎」があります。これはいわゆる寒暖差アレルギーと呼ばれますが、鼻水や鼻詰まりの症状がメインとなり、目の症状は出現しないのが特徴です。

鼻水の種類

鼻水の色や性状は、原因によりさまざまです。代表的な鼻水の状態に、透明でさらさらした鼻水と、黄色~緑がかった粘性の高いどろっとした鼻水があります。

さらさらした鼻水は、風邪の引きはじめやアレルギー性鼻炎、気温の変化などで見られる鼻水です。一方、黄色や緑色のどろっとした鼻水は、風邪症状の盛んなときなどウイルスや細菌感染を起こしている場合などで生じます。また、色付きのどろっとした鼻水の場合は「副鼻腔炎」を起こしている可能性もあります。

副鼻腔炎とは

鼻の奥にある「副鼻腔」という空洞部分の中に炎症を起こしている状態のことです。黄色や緑色の鼻水が長く続く場合は、副鼻腔炎の可能性があります。

参考:鼻水、鼻詰まり | 日本医師会

鼻水吸引の重要性

鼻水はウイルスや細菌を排出するための重要な手段です。そのため、鼻水の中にはウイルスや細菌がたくさんいると考えてよいでしょう。

鼻をすする子どももいますが、なるべく鼻をかんだり吸引したりして取り除かなければ、鼻の奥に細菌が入り込んでしまいます。

鼻水を出さないままにしておくと、鼻の奥から喉や耳のほうに流れ込み、中耳炎や副鼻腔炎の原因となってしまいます。「鼻水くらい……」と思わずに、しっかり出しておかないと病気の原因になってしまうのですね。

鼻水を上手く吸引するコツや注意点

鼻水をそのままにしておくと、副鼻腔炎や中耳炎などの病気の原因となるため、しっかりと取り除かなければいけません。そうはいっても、まだ鼻を上手くかめない子どもや鼻をかんでもなかなか出せない場合もありますよね。

そんなときは「吸引器」を適切に使うと簡単に取ることができます。鼻水吸引器には、手動のものと電動のものがあり、使いやすさや手入れのしやすさなど重視したいポイントを押さえて選ぶとよいでしょう。ここでは、吸引器を使う際のコツなどについて解説します。

鼻の構造は複雑!注意して吸引する

鼻の中は狭く複雑に入り組んでいます。そのため、吸引器のノズルを無理に押し込んだり粘膜を強く吸って傷つけたりしないように注意する必要があります。吸引器のノズルの入れ方としては、ノズルを上に向けたまま鼻の中に入れるのではなく、水平方向に入れるのがポイントです。

ノズルの角度を変えて吸えるポイントを探る

鼻の穴から水平方向に入れたノズルの先、つまり鼻の奥の喉につながる部分にどろどろとした鼻水が溜まっています。ゆっくりとノズルを入れていきましょう。水平方向は保ちつつ少しずつ位置をずらしながら鼻水が吸えるポイントを探して吸引します。

鼻水を吸引する際には、一気に強い力で吸ったり強く押し当てすぎたりしないように注意しながら吸引しましょう。

体勢を整えて吸引する

鼻水を吸引する際に、子どもの頭が動いてしまうと上手く吸えなかったり鼻の粘膜を傷つけたりしてしまいます。

基本的には頭をしっかりと固定しておけば、どんな体勢でも安全に鼻水が吸引できるでしょう。手で頭を抑えるのが一般的ですが、床に座り太ももの間に頭を挟んで上から覗き込むようにして吸引するのもおすすめです。

しかし中には頭を固定されることを嫌がる子や、鼻にノズルを入れられることを嫌う子もいます。嫌がる中で無理矢理鼻水を吸引することは子どもに恐怖心を抱かせてしまう可能性もありますし、鼻の粘膜を傷つけてしまう恐れもありますので、あまりおすすめできません。

そこで重要となってくるのが子どもに合った鼻水吸引器選びです。電動の鼻水吸引器にはハンディタイプと据え置きタイプが、手動の鼻水吸引器にはスポイトタイプや口で吸いだすタイプ、真空ポンプ式のものがあります。

頭を固定されるのが嫌な子には、頭を固定する必要がない真空ポンプ式のものが合うかもしれませんし、出先で良く鼻が出てしまう子にはその場でサッと吸引出来る電動のハンディタイプが合うかもしれません。

安全に鼻水の吸引を行うためにも、子どもに合った鼻水吸引器を選ぶようにしましょう。また鼻水吸引器を使う時には、子どもより先にご家族が使って見せるなどして吸引器が怖くないものであることを伝えてあげると、よりスムーズに鼻水の吸引を行う事が出来るのではないでしょうか。

鼻水を吸引することによる影響

強い力で長時間吸引しすぎると、耳の痛みを感じることがあります。一時的な痛みであれば問題ありませんが、症状が長く続くようであれば中耳炎につながる可能性もあるため注意が必要です。

同じように鼻水の吸引に伴い頭痛や歯痛が生じる場合があります。これは「急性副鼻腔炎」を起こしている際に多く見られる症状です。

まずは弱い力から始め、ゆっくりと少しずつ吸引を繰り返すとよいでしょう。また、吸引器のノズルを強く入れすぎることで鼻の穴の間の壁「鼻中隔」を傷つけ、鼻血が出てしまうことがあります。しかし、鼻水を上手く吸引するには鼻中隔付近にノズルを持ってくる必要があるため、深く入れすぎないことや強い力で押し当てないようにすることを意識しましょう。鼻中隔を傷つけてしまうのが怖い場合には、知母時(ちぼじ)のようにノズルが鼻腔に入らないタイプのものを選ぶと良いでしょう。

子どもに鼻のかみ方を教えるコツ

鼻のかみ方を子どもに教えるのはなかなか大変ですよね。口で言っても上手く伝わりません。口で「ふぅーっ」と息を吐くのは伝わりやすいため、まずはそこから始めてみましょう。それができるようなら、同じように今度は鼻から空気を出す練習です。

しかし、ただ鼻から空気を出すだけでは子どもは面白くもなんともありません。うまく子どもが楽しめるように練習方法を工夫するのがおすすめです。

遊びを取り入れた鼻かみ練習

まずは楽しみながら鼻をかむ練習方法をご紹介しましょう。

  • まずはお口で「ふぅー」
    • ティッシュを顔の前に広げ、口で吹きます
  •  次は鼻で「ふーん」
    • 口で吹くのと同じように、ティッシュを鼻で吹きます
  • ティッシュ飛ばし競争
    • 小さくちぎったティッシュを数個置きます
    • まずは口で吹き飛ばしましょう
    • 次は片方の鼻の穴をふさぎ、鼻息でティッシュを飛ばしてみましょう
    • 遠くまで飛ばせた人の勝ちです

ストローを使った遊びで鼻かみ練習

他には、以下のようなストローを使った鼻かみの練習方法も試してみてください。

  • ストローの先に細長く切った色紙などを数枚貼り付け「ふさ」を作ります
  • 片方の鼻の穴をふさぎ、もう片方にストローを当てて鼻息を出し「ふさ」を動かしましょう。

遊びを取り入れながら上手に鼻をかむ練習をしてみましょう。ただし、無理は禁物です。焦らずゆっくり進めてくださいね。

まとめ

鼻水の分泌は、ウイルスや細菌を排出するための重要な手段です。鼻をかんで鼻水を排出することで、ウイルスや細菌が体内に侵入するのを防ぎます。鼻水が溜まったまま放っておくと中耳炎などの原因にもなるため、上手く鼻がかめない子どもでは鼻水の吸引が必要となります。2〜3歳くらいを目途に、遊びを通して上手に鼻をかむ練習をはじめてみてくださいね。

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