新生児の目から涙が出ないのはなぜ?赤ちゃんの目のケア方法を解説

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大人が泣くと涙が流れます。しかし、生まれたての赤ちゃんは泣いても涙が出ません。お世話をしている中で気が付き、不思議に思っている方も多いのではないでしょうか。これは、赤ちゃんの体のつくりなどが関係しています。

今回は、新生児の目から涙が流れない理由を解説します。あわせて、赤ちゃんの目のケアについてもご説明しますので、普段のお世話にお役立てください。

目次

新生児の目から涙が出ないのはなぜ?赤ちゃんの目のケア方法を解説
 人の目から涙が流れる仕組み
 新生児が泣いても涙が出ない理由
  涙は生後3~4か月ごろから流れ始める
  成長とともに感情による涙も流れる傾向に
赤ちゃんの涙ケア
 基本は優しくふき取る
 目頭マッサージ
 乾燥のケア
 鼻水のケア
 医療機関への相談
まとめ

人の目から涙が流れる仕組み

まずは涙の仕組みを知りましょう。涙は目じりの上にある涙腺と呼ばれる器官から流れ出し、目頭の上下にある涙点という穴に流れ込みます。人の目は常に涙で覆われていますが、この涙があふれないのは涙腺から涙点へ涙が流れているためです。

涙にはさまざまな効果があります。

  • 水分や抗菌作用で角膜を乾燥や雑菌から守る
  • 目に入った異物を洗い流す
  • 感情表現

涙には水分だけでなくリゾチームと呼ばれる抗菌成分が含まれており、角膜を雑菌から守っています。また、目に水分を行き渡らせることで、角膜を乾燥から守るのも涙の役割です。

また、目に異物が入り込むと反射で涙が出ますが、これも目を守るための機能です。このほか、涙はコミュニケーションの一環でも活用されます。悲しいことやうれしいことがあるときに涙が流れることで、相手に自分の気持ちを伝えられます。

新生児が泣いても涙が出ない理由

涙は目の機能を維持するのに大切な物質です。生まれたての赤ちゃんにも、目の機能を維持する最低限の涙が分泌されています。体が未熟なため、泣いても大人のように目からこぼれるほどの量が分泌されないだけです。

また、生まれたての赤ちゃんは、体だけでなく脳も成長途中です。新生児のうちは、悲しい・うれしいなどの感情はまだありません。快・不快の感覚があるだけです。感情による涙を流すことがないのも、新生児が涙を流さない理由のひとつといえます。

体や脳が成長途中な赤ちゃんも、成長すれば涙の分泌量や感情も発達していきます。体が大きくなれば、泣いたときに涙が流れるようになるでしょう。赤ちゃんの涙は、成長のサインでもあるのです。

涙は生後3~4か月ごろから流れ始める

では、どれくらいで赤ちゃんは涙が出るようになるのでしょうか。成長のスピードにもよりますが、一般的には3~4か月ごろから涙がこぼれるようになるといわれています。目や涙の機能の成長がゆっくりな子だと、6か月までかかることもあるようです。

3~6か月ごろになったら、赤ちゃんの目を観察してみましょう。多少遅くても生後半年前後までなら珍しくはありません。赤ちゃんの成長をじっくり見守りましょう。

成長とともに感情による涙も流れる傾向に

赤ちゃんの感情も、大体3~6か月ごろから発達します。不快な感情から、恐怖や不安を覚え、泣くことがあります。6か月~1年ごろには悲しみや喜びなどの感情も覚えるようになり、泣くだけでなく笑ったり、怒ったりもできるようになるといわれてきます。

赤ちゃんにより、半年~1年過ぎてもこのような反応を示さない場合もあるかもしれません。赤ちゃんの感情も肉体の発達同様、成長速度は一人ひとり異なります。

中にはほかの子よりも成長が遅いだけの子や、もともと落ち着いた性格のためにあまり感情を示さない子もいます。泣くことがあまりなくても、ほかに気になることがなければ基本は心配する必要はありません。

もし気になる点があるようなら、かかりつけの医療機関で相談してみることをおすすめします。

赤ちゃんの涙ケア

赤ちゃんの目は、とてもデリケートです。普段から異常がないか観察するだけでなく、涙のケアもしてあげましょう。赤ちゃんの涙ケアについて解説します。

関連ページ:赤ちゃんが寝る前に泣くのはなぜ?夜泣きの原因や寝かしつけのコツを紹介

基本は優しくふき取る

赤ちゃんの涙や目やにが気になるときは、やさしくふき取ってあげましょう。目やになどがこびりついている場合は、濡らしたガーゼなどで拭いてあげてください。力任せにこすってしまうと、目やその周りを傷付けてしまう可能性があります。

涙ケアは、水分を含んで落としやすくなっているお風呂あがりにおこなうと効果的です。普段から目の異常を観察するついでに、涙ケアもする習慣を身に付けておきましょう。普段からこまめに様子を見てあげてください。

目頭マッサージ

鼻涙管閉塞は、後天性のごく軽い症状ならマッサージで軽減できる可能性があります。赤ちゃんの目から目やにや膿が出ているなら、目の間にある涙嚢を押すようにマッサージしてあげてください。

マッサージで汚れが出たら、ガーゼなどでやさしくふき取ります。赤ちゃんを傷付けないよう、マッサージをするときは爪を切り、あまり力をこめないようにしてください。

乾燥のケア

涙ケアは、涙や目やにを取り除くだけではありません。赤ちゃんが普段過ごす部屋の湿度や温度を調節するのも、ケアの一環です。

赤ちゃんの体は、大人のような体温調節はできません。湿度が低い状態だと、涙が蒸発してしまいます。失った涙を補うために分泌量が多くなることもあります。赤ちゃんの体に負担をかけないためにも、加湿器やグッズを置くなどの対策も必要です。

鼻水のケア

赤ちゃんが涙を流せるようになると、鼻水も出はじめます。これは、あふれた涙が涙点をとおり鼻に流れるためです。この仕組みは、大人も変わりません。涙がきちんと出るようになると、鼻水のケアも必要になります。

成長した赤ちゃんの中には、鼻が詰まる不快感でよく泣く子もいます。涙の仕組みの関係から、泣けばその分鼻水もよく出るようになるため、放置すると悪循環です。涙とともに、鼻水のケアもこまめに行ってあげましょう。

赤ちゃんの鼻ケアには、以下の道具が使えます。

  • ガーゼ
  • 綿棒
  • 赤ちゃん用ピンセット
  • 鼻吸い器

鼻水が垂れるようなら、ガーゼなどでやさしくふき取ってあげてください。花周りに鼻水がついている程度なら、綿棒できれいにできます。鼻くそなどが詰まっているなら、専用のピンセットを使うと便利です。

風邪をひいたときなど、鼻水が大量に出ているときには鼻吸い器があると簡単にケアできます。鼻吸い器にはポンプ式や機械式など、さまざまなタイプが販売されています。ケアしやすいものを購入しましょう。

関連ページ:鼻吸い器はいつから使える?子どもに使う際のポイントをご紹介

医療機関への相談

成長の過程で涙や鼻水が出るのは、自然な流れです。しかし、普段とは様子が違う場合や、ほかの赤ちゃんに比べて明らかに様子がおかしい場合、何らかの異常が発生しているかもしれません。

涙や鼻水の量でおかしいと感じたら、まずは医療機関で診察を受けましょう。普段お世話になっているお医者さんなどに、症状について相談してください。目や鼻の状況によっては、眼科や耳鼻科での相談もおすすめです。

まとめ

新生児のうちは、体の機能が未熟なため涙はこぼれるほど分泌されません。成長していくにつれ、涙の分泌量も増えます。もう少し大きくなれば、感情を伴う涙も出るようになるでしょう。涙は赤ちゃんの成長のサインといえます。 涙が出るようになると鼻水もよく出るため、目のケアだけでなく鼻のケアも忘れず行ってあげてください。また、新生児なのに涙がこぼれる・目やにが大量に出るなどの場合は、できるだけ早めに医療機関へ相談してください。

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