子どもの指しゃぶりは何のため?年齢別対処法も解説

thumb-sucking-top

小さい子のかわいらしいしぐさのひとつである指しゃぶりは、長く続くとさまざまな影響を残します。そもそも、指しゃぶりは何のために行われているのでしょうか。

この記事では、子どもが指しゃぶりする意味とその影響を解説しつつ、年齢別の対処法をお伝えします。

目次

指しゃぶりとは?
指しゃぶりの期間
指しゃぶりをする理由
 心の安心を得るため
 寝る前や暇なときの習慣
 おっぱいの代わり
指しゃぶりを続けているとどうなる?
 歯への影響
 食べ方の影響
 しゃべり方への影響
指しゃぶりへの年齢別対応法
 1~3歳までは見守りで大丈夫
 3~5歳からはきっかけづくりを
 積極的な働きかけは5歳から
まとめ

指しゃぶりとは?

指しゃぶりとは赤ちゃんや幼児が自分の指を口に入れてしゃぶることです。生まれたばかりの赤ちゃんにとって、自然な行為でもあります。口に刺激を送ることで、快感や安心感を得る効果があるといわれています。

一般的な行動であり、多くの子どもが小さいときに行う行為でもあるため、小さいうちは指しゃぶりをしていても問題ありません。

指しゃぶりの期間

指しゃぶりは生後数か月、一般的には手の動きが発達しはじめる生後2~4か月ごろから行われます。その後、早い子で生後数か月間、遅い子でも幼児期の終わりごろまで行い続けます。

継続期間は子どもごとに異なりますが、基本は3~4歳ごろには落ち着きます。これは、このころになるとおしゃべりする力が付く分、自分の気持ちを伝えられるようになることも関係しています。自分の気持ちを発信できるようになることで、不安や寂しさを解消できるからです。

また、赤ちゃんの頃に比べるとさまざまな遊びができるため、ストレス発散もしやすいことも関係しています。

指しゃぶりをする理由

赤ちゃんの指しゃぶりは、安心感を求めている行為です。自発的にし始める子も入れば、ある出来事をきっかけに始める子もいます。指しゃぶりをする理由のうち、よくある理由を知っておきましょう。

心の安心を得るため

赤ちゃんは生まれてすぐ習ったわけでもないのに、母乳やミルクを飲めます。これは「吸啜反射(きゅうてつはんしゃ)」と呼ばれる行動です。指しゃぶりは吸啜反射の表れでもあります。

本能的にお母さんを感じられる行動を行うことで、精神を安定させているのです。自分で自分の気持ちを落ち着かせてようとしているわけですから、これも成長の表れといえるでしょう。

寝る前や暇なときの習慣

指しゃぶりは寝る前や暇なときにも行われます。これは、おっぱいを飲みながら寝ていた時の、安心感を思い出すための行為です。

指しゃぶりをすることで、安心した気持ちを感じながら眠ることができます。日中起きているときにする指しゃぶりは、暇なときに行っていることがあります。ふと寂しさや不安を感じ、家族のぬくもりを求めて指しゃぶりをしている状態です。

指しゃぶりは子どもの寂しさや不安の表れでもあるため「指しゃぶりは愛情不足が原因だ」といわれた時期もありました。しかし、ただ単に暇なときにもしている子がいることが分かってきたため、現在では否定されています。

おっぱいの代わり

今まで指しゃぶりをしていなかった子でも、断乳や卒乳を迎えるとやりだす子がいます。おっぱいやミルクの代わりに指をしゃぶることもあります。これもよくある理由のひとつです。

指をしゃぶることで、おっぱいやミルクを飲んでいた時の安心感を得ています。ほかの理由同様、精神安定のために行っているため、それほど気にする必要はありません。この理由の場合、癖になる前にほかのことで気を紛らわせてあげれば、案外早く辞められることもあります。

指しゃぶりを続けているとどうなる?

指しゃぶりは赤ちゃんや幼児にとってごく自然なしぐさです。しかし、いつまでも続けていると口やあごの機能に影響が出てしまいます。次は、指しゃぶりをし続けている場合に考えられる影響について解説します。

歯への影響

指しゃぶりは、断続的にあごや歯に強い力がかかっている状態です。毎日続けていると、骨格の変化や歯の形状・歯並びに影響が出てしまいます。指しゃぶりの期間が長いと、以下のような状態に陥るかもしれません。

• 前歯が出っ歯になり上唇が捲れたようになる
• 上下の前歯の間に指の隙間ができる
• 指を吸うことで頬の筋肉が奥歯を内側に押してしまい上の歯列が狭まる
• 上の歯列だけ狭まったせいで下の歯列とのバランスがずれてかみ合わせが悪くなる

もしお子さんの状態に当てはまるものがあれば、指しゃぶりをやめさせることも検討した方がよいでしょう。

食べ方の影響

指しゃぶりによるあごや歯への影響は、食べ方にも影響を与えます。指しゃぶりにより前歯に隙間ができると、物をうまく噛めなくなるためです。具体的には、以下のような影響が出ます。

• くちゃくちゃ音を立てて食べるようになる
• 口に食べ物を詰め込む
• よく噛まないで飲みこむようになる

食べ方の癖は自覚しにくいうえに、一度発生すると大人になっても直らない方もいます。周りに不快感を与えるだけでなく、本人のしつけも疑われてしまうため、交友関係に悪影響を与えてしまうでしょう。

また、よく噛まないとあごの力が発達しないため、早食い癖が付いて太りやすくなります。将来的に、肥満による健康被害を受ける可能性もあります。

しゃべり方への影響

あごや歯の発達は、発音や会話にも大きな影響を与える要素です。上下前歯に隙間ができると、発音や会話において、以下のような影響が出ます。

• サ行・タ行・ラ行の発音がうまくできない
• 舌ったらずなしゃべり方になる

小さいうちはこのようなしゃべり方でも可愛らしいですが、大きくなるにつれからかわれる対象となることもあります。上下の歯の隙間は舌だけでなくツバも飛びやすくなるため、不明瞭な発音とともに周りに不快感を与えてしまうでしょう。子どもの交友関係に悪影響を与えかねません。

発音や会話の改善は、歯並びの矯正や舌の訓練・会話の癖の改善など、さまざまな対策が必要です。時間も当然かかります。成人してからの矯正や訓練はお金も時間もかかるため、子どものうちから対策が必要です。

指しゃぶりへの年齢別対応法

子どもの自然なしぐさである一方、口の機能に影響を与える指しゃぶりは、どのように対処すればよいのでしょうか。年齢別の対処方法を解説します。

1~3歳までは見守りで大丈夫

指しゃぶりは自然な反応のため、3歳まではしていてもそれほど影響はありません。遅くても、5歳までにやめられれば問題ないため、3歳までは癖が長引かないか見守っておきましょう。

乳歯の歯並びに影響が出ることもありますが、永久歯に変わるときに正常な状態に戻ることもあります。親が神経質になるとその影響を受けて癖が悪化する可能性があるため、小さいうちは以下の対策をする程度にしておきましょう。

• 指しゃぶりをはじめたら一緒に手遊びする
• 眠くて指しゃぶりするときは手を握ってあげて安心させる

3~5歳からはきっかけづくりを

3歳を超えたあたりから、自然と指しゃぶりをしなくなります。このころは丁度、幼稚園や保育園で友達と遊ぶ楽しさを知り、体を動かす疲れで寝つきもよくなる頃です。まだ続くようなら、やめるきっかけづくりをしてあげましょう。

人間の社会性は、3歳くらいから芽生えてくるため、これを利用します。指しゃぶりをみられているとはずかしいとおもうようになるので、以下のような声かけをしてあげましょう。

• もうお姉ちゃん(お兄ちゃん)だから指しゃぶりはやめようね
• 〇歳のお誕生日に指しゃぶりはおしまいにしようか
• 年中さん・年長さんになったら指しゃぶりはやめようか

本人の様子を見つつ指しゃぶりをやめるきっかけを作ってあげることで、自然とやめられるようにするのがポイントです。

積極的な働きかけは5歳から

5歳過ぎても指しゃぶりをやめない場合、自然にやめるのは難しいでしょう。親の方からやめられるようサポートして上げる必要があります。

環境や心理的な問題で指しゃぶりをしている場合は、原因を取り除いてあげることが大切です。不安や寂しさを感じているなら、それに寄り添いつつ取り除いてあげましょう。

頑固な癖として残っているなら、指しゃぶり防止グッズが有効です。口に入れると苦い味がする専用のクリームやマニキュアがあります。無意識に指しゃぶりしても味にびっくりするため癖を矯正できます。

防止グッズを使いつつ、歯科矯正で矯正や歯磨き指導を受けるのもおすすめです。あごや歯に問題があっても、早期に対応することで影響を最小限に抑えられます。

まとめ

子どもの指しゃぶりは、自然なしぐさですがときに大きくなっても続く問題につながります。3歳を超えてもやめないようなら、対処を考えましょう。

指しゃぶりの癖が直らない場合、鼻呼吸の習慣が身に付けられず風邪をひきやすい状態になる子もいます。鼻詰まりなどの影響が出ている場合は、鼻吸い器などの症状緩和に役立つ道具の購入もご検討ください。

知母時(ちぼじ)公式サイトのTOPへ戻る

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です