赤ちゃんがなんでも口に入れてしまうのはなぜ?理由を知って対策を立てよう

赤ちゃんは自分の手だけでなく、おもちゃや食べ物ではないものまで口にしてしまいます。成長過程における自然な活動ですが、危険物まで飲みこんでしまわないか心配になりますよね。
赤ちゃんを守るには、なぜいろいろなものを口に入れてしまうのかを理解したうえでの対策が重要です。本記事では、赤ちゃんが手や物を口に入れる理由とその効果を解説しつつ、対策方法をお伝えします。
目次
赤ちゃんが口に手や物を入れてしまう時期
生後2か月ごろから始まる
生後6か月前後にピークを迎える
最長で年長さんまで続くケースも
赤ちゃんが手や物を口に入れると得られる効果
固形物を食べるときの練習になる
口の中を鈍感にするトレーニングになる
免疫力が付く
赤ちゃんが口に手や物を入れるときの向き合い方
赤ちゃんを誤飲から守るための対策方法
直径38mm以下のものは手の届かないところへ
口に入れていいものでもこまめに洗浄・消毒する
まとめ
赤ちゃんが口に手や物を入れてしまう時期
赤ちゃんの誤飲を防ぐには、手や物を口に入れてしまう時期を正確に把握しておかなくてはなりません。この時期はある程度決まっています。まずは誤飲対策が必要な時期について知りましょう。
生後2か月ごろから始まる
赤ちゃんは大体生後2か月ごろから、自分の手や周辺の物を口に入れようとします。これは、赤ちゃんがミルクを飲むための動きである、哺乳反射と呼ばれる働きによるものです。
赤ちゃんはミルクを飲むために、口に触れた乳首を探し、くわえようとする反射が備わっています。この反応は乳首だけでなく、口や手の近くにある物すべてに反応するため、なんでも口の中に入れようとするような状態になるわけです。
生後2か月ごろは、生まれたてのころに比べると手足の動きも活発になります。手が者に当たりやすく、哺乳反応も働きやすい状態です。また、成長の早い子だと自分の手を見つめるしぐさもするようになり、これも哺乳反応を引き起こします。
生後2か月ごろ、手足の動きが活発になりはじめたら、誤飲対策や口に入れてもよいおもちゃ選びなどに取りかかりましょう。
生後6か月前後にピークを迎える
赤ちゃんが手や物を口に入れる動きは、乳歯が映え始める生後6か月前後にピークを迎えます。この時期は歯が生えるむずむずする感覚を緩和しようとして、口の中に物を入れるようになる時期です。
ただ口に物を入れるだけでなく、噛むようにもなります。歯茎のマッサージやあごの成長につながるほか、ストレス解消効果もあります。
また、この時期は寝返りがうまくできるようになる時期です。うまく体が動けるようになる分、今までよりも手や口の周りに物が触れるようになります。体だけでなく、心も成長しており、好奇心も旺盛です。
今までに比べていろいろなものを積極的に口に入れようとするため、誤飲対策をより入念に行っておきましょう。
最長で年長さんまで続くケースも
赤ちゃんがいろいろなものを口に入れるのは、生理的な反応によるものです。大体は1~2歳を過ぎるころから、徐々に落ち着き始めます。とはいえ、その時期を過ぎれば完全にやめるかというと、そういうわけでもありません。
寂しい・心が不安定などの心理的な要因から、口の中に物を入れる子がいます。指しゃぶりなど精神を落ち着かせるための行動の延長として、口に物を入れているケースです。心理的な要因が原因なら、精神が落ち着くか不安定になる原因がなくなれば自然とやめていきます。大体2~3歳までの子が行っているようなら、問題ありません。
なお、まれに4歳を超えても口の中に手や物を入れる子がいますが、これは今までの行動がそのまま習慣化している可能性が考えられます。指しゃぶりも並行して行っているなら、癖の矯正を検討した方がよいでしょう。お子さんの負担にならない程度に、癖をやめられるようトレーニングしてあげてください。
赤ちゃんが手や物を口に入れると得られる効果
赤ちゃんが口に手や物を入れるのは、本能的な働きによるものです。この働きにはさまざまな効果があります。適切な対応をするためにも、赤ちゃんが手や物を口に入れることで得られる効果についても覚えておきましょう。
固形物を食べるときの練習になる
口に物を入れる動きは、固形物を食べるときの練習になります。固形物を食べるときの動きは、ミルクや離乳食とは異なります。しっかり食べられるようになるには、事前に口の筋肉を鍛えておくことが大切です。
まだミルクや離乳食を食べる時期から口に物を入れておくと、この固形物を食べるときに使う筋肉を鍛えられます。口に物を入れる遊びは、赤ちゃんが次のステップに進むのに必要な遊びでもあります。
口の中を鈍感にするトレーニングになる
赤ちゃんの口の中はとても敏感です。ちょっと異物が入っただけでも、違和感を覚えてしまいます。ミルクの時期はそれでも問題ありませんが、歯が生え始めるとそうはいきません。離乳食から固形物への移行や歯磨きなど、口の中にいろいろなものを入れるようになります。
新生児のうちから口に物を入れて遊ぶことで、口の中に物が入っている感覚に慣れさせられます。このことから口を使った遊びは、新しい食べ物や歯磨きなどの新しい習慣に赤ちゃんが慣れるためにも、欠かせない行動であるといえるでしょう。
免疫力が付く
口にいろいろなものを入れることで得られる効果は、これだけではありません。赤ちゃんの免疫を鍛える効果もあります。口に物を入れて遊ぶのが習慣化している赤ちゃんは、細菌や微生物を取り込むことで、免疫が鍛えられているといわれています。
とはいえ、不衛生なものでも積極的に取り入れればよい、というわけではありません。赤ちゃんが健康を維持しつつ免疫を鍛えるには、ある程度きれいにしている物や、赤ちゃん用の口に含んでもよいおもちゃを使う必要があります。
赤ちゃんが口に手や物を入れるときの向き合い方
赤ちゃんが口に手や物を入れるのは、自然な反応であり、成長に欠かせない行為です。むやみに禁止すると、かえって成長を妨げてしまいます。赤ちゃんの周りに置くものは、口に入れても問題ないものだけ置き、危険なものを遠ざけるようにしましょう。
万が一の事態を避けるために様子を見るときは、ただ口に物を入れている様子を見るだけでなく、「おいしい?」「気に入った?」などの声かけをしてあげましょう。赤ちゃんの気持ちに寄り添った言葉をかけることで、コミュニケーションを取れます。
赤ちゃんを誤飲から守るための対策方法
自然な反応であることが分かっても、なんでも口に入れてしまうときに心配になるのが、誤飲です。万が一の事態を避けるには、対策を行わなくてはなりません。赤ちゃんを誤飲から守るための対策を講じておきましょう。
直径38mm以下のものは手の届かないところへ
赤ちゃんが誤飲する可能性がある物は、すべて手の届かないところへしまいましょう。具体的には、直径38mm以下のものが該当します。身近なものだと、トイレットペーパーの芯の中を通ってしまうものです。
このサイズのものは非常に多く、代表的なものだけでもこれだけあります。
• 小さいおもちゃやそのパーツ
• ボタン電池やコイン
• アクセサリーやボタン
• 医薬品や化粧品
• ジェルボール洗剤
• シール
• 保冷剤や乾燥材
• ペットボトルのふた
• たばこ
• 豆類
どれも実際に誤飲事故が発生したものばかりです。ボタンや医薬品などは、重大な症状につながったケースもあります。これらのものは赤ちゃんが触れられないように、ふたや鍵がしっかり閉まる場所に閉まっておきましょう。
口に入れていいものでもこまめに洗浄・消毒する
口に入れても安全なおもちゃを用意していても、汚れなどをそのまま放置していると雑菌や微生物が繁殖する恐れがあります。赤ちゃん用のおもちゃなどは、こまめに洗浄・消毒してください。
汚れが付いたら消毒できるスプレーや、ウェットティッシュで拭いてあげましょう。このとき使うものも、赤ちゃんの口に入れても安全な成分でできているものを選ぶと、消毒液などによる事故を防止できます。
また、衣類や毛布などを口に入れてしまうこともあるため、これらも定期的に洗濯しましょう。洗った後は天日干しすれば、乾かしながら消毒できます。
まとめ
赤ちゃんが口に手や物を入れるのは、自然な反応であり成長には欠かせない行動です。禁止するとせっかくの成長を妨げてしまいます。
赤ちゃんのうちは、誤飲の恐れがある物を避け、口に入れても安全なものだけを周りに置くようにしましょう。